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【高齢者四大骨折 その② ~大腿骨頸部骨折~】

【高齢者四大骨折 その② ~大腿骨頸部骨折~】

 

こんにちは!!

ファミレスでフライドポテトにたらふく塩をかけてむさぼる、塩分過多のdonです(^^)/

健康診断が恐怖でしかない・・・

 

今回は前回の【高齢者四大骨折 その① ~圧迫骨折~】に続いて、大腿骨頸部骨折についてです。

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  • 大腿骨頸部骨折とは?
  • どんな評価をするのか?どの画像で何をみたらいいのか?
  • どんな治療が必要なのか?(ポイント)

を中心にお伝えしたいと思います。

 

まず初めに大腿骨の解剖についておさらいしましょう。

(骨と関節構造、栄養血管)

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(股関節周囲の付着筋)

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【大腿骨頸部骨折とは】

大腿骨頸部骨折は高齢になると骨粗鬆症を基盤とした骨の弱さにより、転倒など比較的軽い外力によって骨折を生じます。骨折により痛みや長期臥床による筋力低下を中心とした身体機能の低下から起居動作や歩行能力の低下を引き起こし、日常生活動作障害を生じさせます。

そのため、さまざまのリスクに配慮し、いかに早期から離床させ、荷重訓練や歩行訓練を行っていくかが重要になってきます。

 

骨折の分類として、外側骨折と内側骨折に分類されます。

 

『外側骨折の分類』

大腿骨転子部骨折および転子下骨折が含まれます。

特徴としては、関節包や近位骨片への血流が得られるため、手術にしても保存にしても骨癒合が期待できます。骨接合術としてはCHS、ガンマネイル、PHN、エンダー釘などが用いられます。

骨折の分類としてはEvans分類、Jensen分類、AO分類を用いることが多いです。

Evans分類、Jensen分類ともに整復の可否が判定基準に含まれています。

(分類方法は下記)

 

(Evans分類)

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(Jensen分類)

 

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『内側骨折』

特徴として関節包内の骨折であるため、骨折の重症度によっては骨頭への血流が途絶える可能性があり骨頭壊死や骨癒合の遷延化を起こすリスクを有しています。

骨折の分類としては骨折の転位の大きさと分類で分けるGarden分類を用いることが多い出です。

一般的にはStageⅠは保存療法または骨接合術、StageⅡは骨接合術、StageⅢは骨接合術もしくは人工骨頭置換術、StageⅣは人工骨頭置換術を選択することが多い。

 

(分類方法は下記)

 

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【何を評価するのか?どの画像でなにをみるのか?】

  • 受傷機転、転倒歴

どのようなシチュエーションで転倒したのか、転倒の高さと外力の大きさを知るのに重要です。転倒歴が多い人は再度転倒し骨折するリスクが大きくなるため注意が必要です。

 

  • 生活歴・生活習慣

受傷後の疼痛や下肢の筋力低下を中心とした身体機能の低下から活動範囲が低下する症例は少なくありません。どのような環境で生活をしていたのか。どのような習慣があったのかを知ることは個別の目標設定に必要な情報となってきます。

 

  • 画像評価

画像所見では主にレントゲンですが3DCTを用いて骨折の転位を評価することも可能です。3DCTではより立体に骨折部を評価できるので骨折周囲の軟部組織の損傷程度の予測などにとても有意義となります。また、骨折部位を評価することで損傷される筋が想定され、MMTや動作分析など評価において機能低下を生じている筋の同定に有用と考えます。

 

  • 疼痛評価

疼痛はVAS、NRS、FRSなどで評価されます(下記に示す)

痛みを評価することは必要な治療や有効な治療法の選択につながります。また、ストレスなどで痛みに悪影響が出ている場合などでは、そのストレス要因を軽減するようなことも必要です。患者さんの痛みを掘り下げて、評価してくことが重要と考えます。また疼痛は代償運動による筋の過負荷が原因とされることもありその動作を繰り返すことで慢性痛への移行が危惧されます。

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  • 股関節周囲の可動性や筋力評価(膝関節、足関節を中心にした近位関節も)

受傷や術側の股関節周囲の筋力評価や関節可動域の評価はもちろんのことですが、炎症の波及や術後の疼痛による膝関節や足関節の機能評価をしておくことも必要だと考えます。大腿四頭筋や大腿筋膜張筋への過負荷から二関節筋でもある両筋機が能不全を生じ、膝関節伸展筋力に影響を及ぼすことが臨床でもよく見られるのではないでしょうか。

 

  • バランス評価  

片脚立位、BBS、TUGなどがあります。

BBS(Berg Balance Scale)

各項目は0~4点の5段階の56点満点  

評価項目はすべて日常生活関連動作から構成されている

カットオフ値 46点以上・・・病棟内自立判定基準

 36点以上・・・病棟内見守り判定基準

 

TUG(Timed Up to Go)

カットオフ値 13.5秒:転倒予測

20秒:屋外外出可能

 30秒以上:日常生活動作に要介助

 

などがあげられます。

 

【どんな治療が必要なのか?(ポイント)】

★早期離床、早期荷重、歩行訓練が重要となってきます。

状態によっては段階的な負荷設定も必要です。

(*各施設でのクリニカルパスに従じてリハビリを行っていきます。)

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★疼痛を抑制した上での大腿四頭筋、中殿筋のトレーニン

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明日からも臨床頑張りましょう♪( *´艸`)

 

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