バランス × 維持 × メカニズム
こんにちは!アンソニーです。
以前の職場で、良く言えば“ぽっちゃり”、見たままを表現すれば“太っちょ”・・・もとい!「デブ」の同僚がいた。
彼は、
患者さんに「このように片足立ちをしてください」と言いながら、自分は壁を触れ、
深さ5cmの波打ち際で、寄せては返す波に足をとられ立てなくなり、
何のことはない電車の揺れで転ぶ、
ケンケンパなどもってのほかだ!!
・・・バランスとは程遠い彼を思い出す。
彼がジェンガなら始めることすら困難であっただろう。
バランス機能は,
動作遂行における課題と環境からの生体力学的また情報処理的制約条件に適応することが要求される.
課題による生体力学的制約とは,
静的な課題や動的な課題あるいは自ら四肢を動かす課題や外から力が加わる課題, ハイヒールでの歩行など課題条件の違いが支持基底面と身体重心位置に影響を与えることである.
環境による生体力学的制約とは,
砂の上を歩いたり, 滑りやすい床を歩いたりする場合に, 支持基底面と身体重心位置に影響を与えることである.
課題による情報処理的制約とは,
課題そのものの難しさが中枢でのバランスを制御するための情報処理に影響を与える. 例えば, ボールをつきながら( ドリブル) 歩くことや立位で動いているものに手を伸ばすなど, 2 つの課題を同時に行う場合などは情報処理に影響を与える.
環境による情報処理的制約とは,
環境が変化しない場合と常に変化している場合では, 課題に対する注意に影響を与えバランスを制御するための情報処理に影響を与える.
例えば, 誰もいない通路を歩く場合に比べ, 駅の構内のような大勢の人が縦横無尽に移動している中を目的に向かって歩く場合とでは転倒せずに歩くための情報処理に大きな違いが生じることは明らかである.
このように課題と環境はバランスを維持すための機能に生体力学および情報処理の側面に影響を与えることが考えられる.
では, 転倒しないようにどのように課題と環境に対して、調整を図っているのだろう.
環境を認知し転倒を回避するための戦略を想起する予期的なメカニズムが働き,
その戦略に基づき予測的に姿勢調整を行い実際の動作を遂行する.
さらに予想に反した状況が生じた場合, 転倒を回避するために一歩踏み出し, 反射的な運動を行う.
①予期的メカニズム(proactive balance mechanism)
環境の状態や変化の情報は視覚をとおして得られ, その情報が安定性にどのように影響するかを過去の経験に基づき解釈し, どのような障壁回避戦略を取るかを決定する.
例えば, 障害物の横を回ったり, 障害物をまたいだり, また滑りやすい床に対しては歩行速度を落としたり,ステップの運動パターンを変える. 予期的メカニズムは, 視覚情報に基づき外界の環境を過去の経験に基づき評価し, 運動戦略を決定するバランス制御である.
②予測的メカニズム(predictive balance mechanism)
予期的メカニズムによる回避戦略に基づき,自発的な姿勢調整を行う.
例えば障害物をまたごうとする場合の適切な重心移動や滑りやすい路面上での支持基底面内への重心位置の維持など, いわゆる予測的姿勢調整によるバランス制御である.
③反応的メカニズム(reactive balance mechanism)
日常活動中に予期せずバランスが崩れるような状況になった場合, いわゆる反射機構が活性化され, ステップ反応のような平衡反応や立ち直り反応によるバランス制御である.
このように, 外界の状況を予期的にモニターされ, 姿勢や平衡を維持するために必要な随意的に算出される力の影響を予測的に調整する。さらにその調整に失敗や予期しない不安定が生じた場合に反応的バランス制御が危機管理機構として働くことになる。
少し前彼に会った、
店の敷居という情報を見逃し←予期メカニズム、失敗
案の定、つまずく←予測的メカニズム、失敗
ステップが出るも足をグネる・コケる←反応的メカニズム、失敗
膝を強打し捻挫している彼にはバランスとは、縁のないものなのだろう。
久々にウケるww
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